楽天モバイル、起死回生の一撃となるか

楽天がついにプラチナバンドを手に入れた。
楽天モバイルの赤字脱却のために必要な最終兵器とまで言われていた悲願のプラチナバンド。
プラチナバンド獲得で今後どうなっていくのか考察。

プラチナバンドとは

プラチナバンドとは700MHzから900MHzの周波数帯の電波のことを言います。この700MHz帯というのは、昔テレビのアナログ放送に使われていた電波。地デジの移行に伴って空きがでたこの電波帯を携帯電話に使用している。この200MHzのプラチナバンドは空気中での減衰が少なく、遠くまで届き、建物の中などでも安定して通信できる。プラチナバンドを使用しているドコモ、au、ソフトバンクに対して、楽天がつながりにくいと言われる原因の主要因になっている。

楽天の問題

楽天が現在使用している電波は1.7GHz帯でプラチナバンドではない。この1.7GHz帯の電波では、建物に遮られ、電波を効率よく届けることができない。そのため楽天はこのプラチナバンドの使用をめぐり、その他3社の電波を融通するように主張を続けていた。当然他の3社からすると、楽天に電波を譲るメリットはなく、相手にされていなかった。そこで新しく出てきたアイデアが今使っていない狭い範囲のプラチナバンドを割り当てるのはどうかというアイデアである。

楽天が手に入れたプラチナバンドの価値は?

今回楽天が手に入れたプラチナバンドは、結論からいうと微妙である。理由は簡単で、他の3社と比べ、圧倒的に狭い範囲だからである。ドコモ50MHz幅、au50MHz幅、ソフトバンク50MHz幅と、3社ともプラチナバンドのうち50MHzの幅を使用してる。今回楽天に割り当てられたプラチナバンドは6MHz幅である。この帯域だけを単純に見ても他の3社と同じレベルになるとは考えられない。計算上は1000万ユーザーレベルまでは、この6MHzで十分で、楽天の現在のユーザー数を考えれば十分という計算になるが、実際に効果が感じられるかどうかはまだ確定的ではない。またプラチナバンドの帯域幅の狭さだけではなく、他社はキャリアアグリゲーションという技術を使い、自分たちの持っている通信帯域を束ねて利用することで、高速通信を安定させる技術を採用している。このキャリアアグリケーションにおいても帯域幅が小さい楽天は当然不利になる。プラチナバンド獲得の効果を実際にユーザーが感じることができれば、楽天モバイルの黒字化が一歩近づくことになる。

投資に関するInfomation

携帯電話会社の契約者数
・NTTドコモ 9000万件
・au 6500万件
・ソフトバンク 5200万件
・楽天 500万件

楽天は23日、プラチナバンド獲得に伴う追加の設備投資額が今後10年で544億円に及ぶことと、単月黒字化は2026年度を見込んでいることを発表。帯域の狭いプラチナバンドを獲得したという事実だけでは株価への影響は大きくはないと推測。

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