GDPとシン・ニッポン
日本の国際的な立ち位置
国際通貨基金(IMF)は、2023年の名目国内総生産(GDP)で日本がドイツに抜かれ、世界3位から4位に転落すると予測した。4年ぐらい前から、日本はドイツに抜かれると言われ続けてきたが、2023年についに逆転されることになりそうだ。
名目GDPとは、ある国が生み出した付加価値の総額で、経済規模を表す指標。名目GDPは、現在の物価で計測された国内総生産(GDP)のこと。一方、実質GDPは固定された価格で計測する。実質GDPは、名目GDPと比較して物価変動に左右されない指標として用いられる。
円安やドイツのインフレ率の高さも影響したとされてるが、実質的な経済成長率の差が長年積み重なった結果であるともいえる。
旧ニッポン、現ニッポン
1989年(平成元年)の世界時価総額ランキング。今のZ世代の人たちからしたら嘘のような話だが、全世界の企業の時価総額のランキングで、トップ10の中に7つ日本の会社が入っていた。いかに当時の日本が勢いがあったかということがわかると思う。失われた30年という言葉はよく聞くが、本当に失われてしまった。2023年の世界時価総額ランキングでは日本企業はトップ10に1社も入っていない。33位にトヨタ自動車がランクインしているが、これが最高位だ。(※時価総額は株価の変動に伴い短期間でも順位が入れ替わってしまうので、最新情報は別途確認必要)
日経平均株価は1989年の12月29日にトップ値を出してから、今日まで更新できていない。一方アメリカのS&P500は1989年から2021年でおおよそ13倍になっている。これが日本とアメリカの格差である。インターネットを見ている端末は、iモードからiPhoneへ変わり、そのiPhoneの中に入っているアプリはYoutubeやFacebook、Instagram、Xなど日本のアプリはほぼ入っていない。これが日本の現状である。
シン・ニッポン
これからの日本はどうなるのか、どうすれば経済大国に戻れるのか、これは知識のある人なら誰もがかなり難しいということを理解していると思う。まず日本の置かれている環境として、子供がいない。若い力がない。経済成長には若い力、子供の力が大きな影響を及ぼす。今の日本の合計特殊出生率は1.26で、過去最低である。人口を維持するためには2.07は必要と言われているなかで、1.26では話にならない。つまり20年後の成人数が減ることは確定している事実である。今よりも少ない労働力で、世界の多人口国家と渡り合わなければならない。経済活動に限らず人数が多いというのはそれだけでとてつもない攻撃力となる。日本がシン・ニッポンとして世界での経済的地位を維持、発展させるためには、少人数で対応可能な高付加価値の分野をリードするしか選択肢はないように思う。例えば、野菜を作ったり、縫製をするというような人手が必要になる薄利多売な分野では絶対に勝負できない。直近ではITやAI、半導体といった分野、もう少し先では宇宙がそのターゲットになるのではないかと思う。是非今の子供たちにはそういった分野を目指して欲しい。
投資に関するInfomation
2023年の名目GDP予測
- アメリカ: 26,949.96億ドル
- 中国: 17,700.94億ドル
- ドイツ: 4,298.00億ドル
- 日本: 4,230.80億ドル
日本の半導体関連企業
企業名 | コード | 時価総額 |
---|---|---|
東京エレクトロン | 8035 | 11,990 |
レーザーテック | 6920 | 10,300 |
信越化学工業 | 4063 | 4,266 |
SUMCO | 3436 | 8,700 |
ディスコ | 6146 | 2,870 |
SCREENホールディングス | 7735 | 1,800 |
東京精密 | 7729 | 3,300 |
アドバンテスト | 6857 | 7,700 |